MasaichiYaguchi

リオの男のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

リオの男(1964年製作の映画)
3.8
主演のジャン=ポール・ベルモンドがフィリップ・ド・ブロカ監督と再タッグを組んだ本作は、ブラジルを舞台に古代文明の土像を巡ってハラハラドキドキのアクションコメディを繰り広げていく。
ジャン=ポール・ベルモンド演じるフランス空軍パイロットであるアドリアンは1週間の休暇をもらったので、パリにいる恋人のアニエスに会いに行く。
ところが、再会して間もなくアニエスは何者かに誘拐されてしまい、その後を必死に追跡したアドリアンは、海を渡ってブラジルのリオデジャネイロにまで行ってしまう。
この誘拐にはアマゾン古代文明の土像が絡んでいることが分かり、彼は土像の秘密を解き明かすと共にアニエスを救出すべく異国の地で奮闘していく。
ジャン=ポール・ベルモンドの主演作を久し振りに映画館で鑑賞したが、改めて彼の身体能力の高さや、高度なアクションの中に笑いの要素を込める職人技に感銘した。
ジャン=ポール・ベルモンドは「ルパン三世」や「コブラ」のモデルといわれ、ジャッキー・チェンやトム・クルーズらの先駆として、体を張ったスタントで世界を魅了したフランスを代表するアクション俳優と称されている。
この作品でも目まぐるしく様々なアクションを繰り広げていく。
高所恐怖症の方なら縮み上がってしまいそうなシーンが幾つか出てくるが、ジャン=ポール・ベルモンドは命綱も無しに果敢に挑んでいて、凄いなと思ってしまう。
アマゾン古代文明の土像がキーアイテムとなっていることもあり、この土像の秘密が解き明かされる終盤へ向かうにつれ、既視感のある展開が登場する。
確かにこのシークエンスを観ると、スティーブン・スピルバーグが本作を熱愛し、「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」の参考にしたという逸話も宜なるかなと思う。
本作はフランス・イタリア合作だが、如何にもフランスらしいラストシーンでエスプリに富んでいる。