このレビューはネタバレを含みます
2022/02/10
・“ここで語られる出来事はあの日の生存者の話に基づいている”
・前日引っ張った女(通称“ハダカのグローリア”)…体重140キロ/着てたのはゴキブリだらけのビニール袋
・ジャッキー・グリーソンの像をベンチがわりにしちゃう浮浪者(言い訳は“自由の国だ”“死んだやつだぞ”)
・ことの始まりは危機感低め(“どこのヘボパイロットだ?”/“ガス欠かな?”/“双発機の操縦ミスだよ”,etc…)→ラジオの音楽ステーションがニュースを放送するまでの騒ぎに…
・想定外の事態にて現場の緊急備品はなし(想定の事態は爆弾 化学薬品 細菌兵器 空からの攻撃→こんなスケールの災害は想定外/中にいるのは5万~6万人が予想される/ケータイは通じない)
・避難援助チーム班長:93年の爆弾事件の後緊急班におりビルに詳しい/愛想があまり良くなかった(あまり人に好かれずむっつりして笑わない)ため警部補に昇進できなかった/勤続21年/
・まさに阿鼻叫喚
・“誰が行く?前に出ろ”…この状況(血だらけで逃げ惑う人々/110階のビルでジェット燃料が燃えてる/ワゴン車の屋根が潰れてペシャンコ)で“行きます”と言える数人の有志(=“バスターミナルの猛者ども”)の正義感の強さ脱帽→ボンベ確保へ(“呼吸ができずに人を助けられると思うか?”)
・→タワー2に避難命令発動(“2機目が突っ込んだ”?火が移った?タワー1に突っ込んだ飛行機が1機だけ?…有事における情報伝達の重要性を感じる/“国防総省にミサイル攻撃 イスラエルは核で吹っ飛んだ”との情報も…“今日で世界は終わりか?”とも思える事態/異動早々これは辛い)
・個人的にヘルメットの紐ブラブラさせないでちゃんとカチッとやったほうがいいと思う
・橋梁警備の“大変な一日になるぞ”…フラグ→“この国の歴史の中で最も暗い一日です”
・鳴り響く爆発音の恐怖
・エレベーター・シャフトに歪み→中の人間に及ぶ危険(しかしシャフトが最も頑丈であるため安全…逃げる時はシャフトへ)
・突然の爆発後に埋もれて身動きが取れなくなる恐怖/暗闇の恐怖と射してくる光の希望
・動けるものが動けない仲間を助けようとするが次に襲って来た崩落で致命傷を負い自害… “深い悲しみと痛みが胸をえぐります”←本当それ
・真実の状況:“ハイジャックされた2機の旅客機が世界貿易センタービルに…1機がタワー1に激突15分後にもう1機がタワー2に突っ込みビルは崩壊”
・当事者はもちろんのことその家族の心痛も計り知れない…(“僕らも行こう パパを探そう”という息子の父への愛/娘に父親の死をどう話せばいいかと悩む妻であり母/最後に何を話したか…/状況の深刻さを把握しきれていない子供たちへの言葉のかけ方/ちょっとしたことで怒鳴ったことへの後悔,etc…)パニックにもなるしやけくそにもなるしイライラもするし…とにかく辛い
・無線が通じない/喉が渇いて口の中が砂浜みたいにカラカラ/時々襲ってくる痛み(20~30分おき、その度に痛みは薄れていくが感覚も失っていく→眠りたくなる、内臓出血…誤:眠れれば最高 痛みを感じなくて済む 正:眠ったらそのまま死ぬ→脳が命をつなぐため目を覚ましていなければならない…「G.I.ジェーン」より “痛みは友達だ 痛みを感じるのは生きてる証拠だ”by鬼軍曹)/火も襲ってくる/内臓出血に加え両膝潰れる/熱により死んだ仲間の銃が暴発/自らの生存の可能性を考え生きられると信じようとする…痛々しくて辛い…/金属パイプを鳴らし続ける/「もしもあの時…」で後悔が募ってゆく→仲間の死に対する責任感と自己嫌悪/いよいよ危険を感じてくると家族へのメッセージを残し始める/イエスに出会う/朦朧としていく意識の中で語り続ける努力をし合う/“ここはどこだ”→“地獄です 生き地獄 早く出たい”/生を諦めずパイプを打ち鳴らし続ける意志の強さが生を引き寄せたと言えるのでは…?/極限においてはこれまでの自分の人生の歩みにまで考えが及ぶ→愛する者への想いと愛する者からの想いが奇跡を呼ぶ!愛は偉大なり!
・戦争突入を感じざるを得ない状況
・渦中のNY行きを決意し教会で決意を固める信心深い姿が美しい…自身の誇りである海兵隊時代を思い起こし、“神は私に人を助け国を守る力を与えられた 神の声が私を呼んでます”…正しい神を信じるものは強い→禊の散髪へ…
・子供の学費の工面で苦しくても新しくできた我が子を喜ぶ素晴らしい父親像
・“神は煙のカーテンを掛けた “まだ全部を見せたくない”と”
・生存の報告を受けた時の家族の歓喜…どこへ迎えに行けばいいかを聞き忘れるほど
・救助者側も命懸け…救助に向かう前に家族へのメッセージを他の隊員に残す
・人間の生死が絡む事項の連絡ミスは絶対ダメ
・即席のチームであっても「人を助ける」という重要な使命のもとに結成されたチームは無敵
・自分の脚を犠牲にしてでも仲間を助けてくれと頼む(“俺の脚はどうでもいい 切断してくれ 片脚でも生きられる”“彼が死ねば俺も死ぬ そういう約束なんだ”)…頼まれる側の心痛も想像を絶するもの…
・“ウィスコンシンの警官もNYが好き”と書かれたバン、ウィスコンシンから来て“何もせずにいられるか?”と言い放ち世界一の味を保証するソーセージを提供する警官…人類愛が素敵
・無数の行方不明者を探すポスターが哀しい…
それから2年…
・隊員たちへの感謝の集い
・““9.11”が人間に見せた行い もちろんあの悪の行為… だが日頃忘れていた人間の善も見せてくれた 人々は助け合った それが当然で正しいことだったから”
“2749名の方々が亡くなり その国籍は87の国に及ぶ 343名は消防士 港湾局職員の犠牲者は84名 うち37名が警察官 ニューヨーク市警察の警官は23名 救出された者は20名でウィルとジョンは18,19番目だった ウィルは13日間に手術8回 ジョンは6週間昏睡状態にあり27回の手術を受けた 2人は今は現役を退いて家族と暮らしている カーンズ軍曹は海兵隊に再志願 イラクで戦った 犠牲となった港湾警察官の男女職員の方々 あの日戦い命を落とし負傷した方々にこの映画を捧げる”
“これはマクローリンとヒメノ両夫妻の実話である”
当事者 当事者家族 救助者の三者の葛藤
“誰か”が自分の利益だけを考えて起こしたような攻撃が大勢の人々とその人に関わるさらに大勢の人々を悲しみに陥れる、多くの血と汗と涙を流させる…こんなのおかしい