凛太朗

愛と追憶の日々の凛太朗のレビュー・感想・評価

愛と追憶の日々(1983年製作の映画)
3.6
『愛となんとかのどーとやら』という邦題の映画ありすぎ問題!どれがどれだかわからなくなりがち!
こちらは第56回アカデミー賞で、作品賞、監督賞/脚色賞(ジェームズ・L・ブルックス)、主演女優(シャーリー・マクレーン)、助演男優賞(ジャック・ニコルソン)の5部門を受賞し、その他多数受賞したりノミネートされている1983年の映画。

原題はTerms of Endearment。
これにはダーリンとかハニーといった愛称という意味もあるし、愛情表現の言葉的な意味もあるし、愛情の期間的な意味もあるんだそうな。
だから邦題の『愛と追憶の日々』ってのも、わりといい訳し方なのかもしれないと、映画を観終わってからは思いました。

W主演の映画で、母のオーロラを演じるシャーリー・マクレーンと、そのオーロラと喧嘩もする友達みたい娘のエマを演じるデブラ・ウィンガーが主演で、両方クセの強いキャラクター。
ジャック・ニコルソン扮するオーロラのお隣さんのギャレットも、ジェフ・ダニエルズが演じるエマの夫でオーロラとソリが合わないフラップも、いい所もあれば悪いところもある、やっぱりクセの強いキャラクター。
というか主要登場人物の殆どがクセが強いんじゃ!
そんな登場人物たちにより、前半はコメディタッチに紆余曲折ありながら色々と展開されていくわけですが、後半はわかりやすく泣かせにかかってきます。
個人的にそれをやられてしまうと殆ど確実と言ってもいいくらいに泣かされてしまう。案の定泣いた。本人の気持ちもさることながら、親としての気持ち、子供としての気持ち、仲違いがあるにせよ伴侶としての気持ちといった面で。
その気持ちを包み込むような不器用だけど優しい表現がいいなと思った。
完璧な人間なんていないし、人は間違いも起こせば後悔することも名残惜しいこともありますわね。

ただ、いい映画ではあると思うけど、最初から最後までまとまりがなく、頻繁に場面が変わって散漫な印象も受けました。
結局決着のついていない人間同士の関係もいくつかある。
クセの強いキャラクター達の絡みをあっちもこっちも観せてってなると、こういうことになっちゃうんですかね。
それでもジャック・ニコルソンとシャーリー・マクレーンは、映画のキャラクターのクセが強いどころか俳優としてのクセもだいぶ強いと思うのだけれど、ここでは貫禄の落ち着いた姿も魅せる流石の演技。
凛太朗

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