【幸福番外地】
フォークルが主演した大島渚らしい不条理ワールドを満喫できる政治的アイドル映画。北朝鮮と日本の狭間で右往左往するフォークルの面子が笑わせるダーク・コメディになってる。
脚本に足立正生が参加。かなり左翼思想の強いラジカルで危険な香りをプンプンさせる悪夢的な光景の連続が、大島らしい魔の想像力を感じさせる佳作となっている。
ぼくの中でフォークルの『帰って来たヨッパライ』という曲自体、はっぴいえんどの『さよならアメリカ・さよならニッポン』並みにインパクトのある怪作だと思っているのでそれを映画に!?という監督の人を食ったアイデアが秀逸な当時の若者向け映画って感じがした。
今では左カラーが強すぎて風化してる印象もあるが『日本春歌考』と並び当時の熱い息吹きを感じる前衛映画という印象もある。