赤ちゃんパンダ

どついたるねんの赤ちゃんパンダのネタバレレビュー・内容・結末

どついたるねん(1989年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

平日の仕事終わりにふらっと見に行くつもりで行ったら、映画館の雰囲気がいつもと違うし、席はめちゃくちゃ埋まってるし、なんとなく、関係者的な人がたくさんいる気がする。久しぶりの上映だから?これってそんなに人を集める映画なのかと思っていたら、主演の赤井英和さんと坂本監督のトークショー付きだった。ボクサー時代の赤井さんのファンの方とかが来てたのかな?

現役時代に人気を博していたボクサーを主演に据えた映画だから、かっこよさ全開の、スター映画みたいな感じのかと思いきや、人気絶頂だったプロボクサーが事故で引退し、ボクシングジムを経営するもうまくいかない、性格も難あり、お腹についた贅肉をつまんで、自分の小さくなった拳をかなしく見つめる…という意外な内容の映画。
だからこそ、もう一度復活するぞとなってからがかっこよく見えた。

最後の試合はどちらが勝つのだろうかとドキドキしながら見ていたけど、幼なじみの女がリングにタオルを投げ込むところで終わる。ちなみにタオルを投げ込むのは失格で、負けになるらしい。どういう意味のラストなんだろう?

トークショーで坂本監督が、赤井英和の魅力は?と聞かれて、
「引退となった試合も含めて、ここまで来るのに、いろいろしんどい思いもしてきた、ただのキラキラしたスター選手ではない背景がある、ただ一方で、その憂いのようなものを感じさせない、それが彼の魅力だと思います」と言っていて、映画の中の赤井さんが演じたボクサー・安達にまったく同じことを思ったから、監督が思う赤井英和の魅力を映画に反映できたのだなと思った。

かっこいいんだけど、かっこわるい、でも苦悩…憂い…みたいなジメジメした感じはしなくて、からっとしている、不思議な魅力。体で闘うこと、拳で闘うことを実践しているからこそのかっこよさなんだろうと思う。
ボクシングの試合は何度か行ったことがあるんだけど、また生で試合を見たくなった。

赤井英和はもちろんかっこいいけど、コーチ役の人をかっこいい〜♡誰これ〜??♡と思っていたら原田芳雄だった。色気がすごい。

美川憲一が引っぱたかれる映画。


自分がメディアに取材してもらったりしようと夜の街でお酒を飲み明かした日の明け方に、キヨタが走り込みをしてるのを見たときの表情のカットが、なんとも言えずよかったな〜〜。
試合前日のスパーリングのシーンも。「きみが死ぬのはこんな寂しいところじゃない」。
“明るい”ナショナルジム。

昔の大阪が舞台の映画って、通天閣がドン!と出てきて、これが大阪やでぇ〜!!という感じがしてすき。坂本監督と赤井さんで組んだ2作目の「大手」も通天閣が出てくる映画らしい。
赤ちゃんパンダ

赤ちゃんパンダ