ハシゴダカ

ミュンヘンのハシゴダカのレビュー・感想・評価

ミュンヘン(2005年製作の映画)
3.9
上映時間の長さとリアルな暴力描写への怖さから、本作を観ることを避けてきたけど、『フェイブルマンズ』におけるスピルバーグのキレっキレぶりを再確認し(その前だと『ブリッジ・オブ・スパイ』がむちゃくちゃ好き)、過去作ディグの一環でようやくアマプラで鑑賞。

観る前にミュンヘンオリンピック事件やその背景等を知っておいた方が、本作の状況をすんなり理解できると思う。
ただテロリストを殺していくミッションがスタートすると、そんなに小難しくなく、というか映画として面白く観れてしまう。
そう、観れてしまう。こんなに陰惨な話なのに。

なんだろう、スピルバーグ作品って演出がうまいのか、観ていてなんだか気持ちいい。
色々演出テクニックはあるんだろうけど、人物の動線作りがうまいなぁといつも思ってしまう。

映画として面白く観れてしまうので、テロに対する報復をしていく暴力連鎖を描いた作品なのに、暗くなりすぎないというか。
重いけども。

敵に気付かれないように暗殺しにいく主人公チームが決してプロフェッショナルじゃないので、一つ一つのミッションが妙にサスペンスフル。
見ようによっちゃコメディと見れなくもないような展開もあったりもする。
ちなみに、このチームに007抜擢直前のダニエル・クレイグがメンバーとしているんだけど、よく喋るキャラで今見るとなんだか新鮮。

164分。とても見応えがあった。

あ、でも、終盤のとあるシーンでのフラッシュバックは少しおかしいなとは思った(主人公と妻のシーン)。
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