とぽとぽ

舞台恐怖症のとぽとぽのレビュー・感想・評価

舞台恐怖症(1950年製作の映画)
4.0
献身的な愛の一方通行とそれを利用する輩

愛でも友情でも、信頼関係を踏みにじっては己のために都合よく利用する人々。好きな人のためにどこまでできるか。献身的な愛の連鎖、真実の愛はどこにあるのか?あれやこれと策を練っては真犯人に暴露させたい"冤罪"モノ。
ファム・ファタール枠で心底なんじゃコイツな女優のシャーロット。彼女にまんまと掌の上で転がされる救いのないジョナサン。そんなジョナサンの友人で女優の卵イヴ(主人公)と、そんな危険に身を投じる愛娘のために一肌脱ぐ頭の切れる阿笠博士系(?)お父様。…という、そんな"愛"の一方通行が印象的なノワールチックなサスペンス映画。
そこにイヴと親しくなっていくイケメン刑事スミスや、シャーロットのがめついお手伝いも絡んでくる。ヒッチコックらしいユーモアのセンスも安定に楽しめる。ちなみに彼は今回、イヴがシャーロットに近づくために潜入捜査するときの予行演習的独り言に振り返る通行人役。
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