義民伝兵衛と蝉時雨

シューベルト未完の旅の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

シューベルト未完の旅(1953年製作の映画)
4.1
フランツ・シューベルトの半生が描かれた作品。テレーゼ・グロープとの恋愛模様から交友関係など、彼を取り巻く人間模様がかなり忠実に丁寧に描かれている印象。ゲーテの詩から受けた芸術的インスピレーションの再現や、ベートーヴェンの必要最小限な登場とそのミステリアスな存在感、そして彼の交響曲が流れるところも興奮した。アヴェ・マリアこと「エレンの歌 第3番」を筆頭にシューベルトの名曲達が自身のドラマに色を添え盛り上げる。芸術家の愛と苦悩とその昇華、芸術の普遍性が改めて垣間観える。それにしてもシューベルト役の役者さんが肖像画そっくりでたまげた。