ツナ男

有りがたうさんのツナ男のネタバレレビュー・内容・結末

有りがたうさん(1936年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

上原謙は、加山雄三と同じ男前であってもどこか影を感じる。加山雄三が光り輝く太陽なら、上原謙は静かに光る月だ。笑っていてもどこか寂しさを感じる。それがこの映画にマッチしていると私は思った。有難うさんの運転するバスは、売られていく女を何人も乗せて運んだ地獄行きのバスなのだろう。それゆえに、有難うさんを演じた上原謙は素晴らしかった。「子供が生まれたら、おめでとうよりもお悔やみを言いたいくらいだ」という台詞も寂しさを感じさせる。また、全編ロケーションで撮影された伊豆半島の美しい自然も良かった。しかし、バスが人を追い越すシーンが無いのは、少し違和感を覚えた。何か意図があるのかも。
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