へい

ベルイマン監督の 恥のへいのレビュー・感想・評価

ベルイマン監督の 恥(1966年製作の映画)
5.0
小島に住んで夫婦の関係はまあまあ悪いな、ってだけだったのに否応なく押し寄せてくる戦争という大問題。
自分たちの家の周りのやむ気配のない轟音や、この先どこに連れて行かれるのか分からない怖さ、戦争という恐怖が何時間も見ているかのように続く。

ひ弱で臆病だった男が奥さんを寝取られて、人殺しに変わっていく変貌が凄すぎる。前半と後半で人物がまるで変わる。絶対に許さない断固として自分だけ助かろうとする人間の怖さをひしひしと感じる。

政治的な立場なんてなくても、生きている限り社会問題や政治に関わらざるを得ず生活が破綻していき夫婦関係も破綻していき地獄に突き落とされていく。今もそれは変わらないと思う。
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