爆裂BOX

SOULS 死魂の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

SOULS 死魂(1998年製作の映画)
3.0
少女時代に目の前で殺人鬼ルイスに母親を殺されたアレックス。20年後、母親の墓参りの帰りにルイスが現れ…というストーリー。
殺人鬼に母親を殺された女性が体験する恐怖を描くサスペンス・スリラーです。ウェス・クレイヴン監督の名前がジャケットには大々的に踊ってますが、監督ではなく製作総指揮です。そして原題からもわかる様にカルトホラー「恐怖の足跡」のリメイクになっています。
ルイスに襲われるも車ごと海に突っ込み何とか九死に一生を得たアレックス。しかしそれからアレックスは奇妙な幻覚を見、ルイスの影におびえる事に。更に担当刑事に相談すると、ルイスは出所後交通事故で死んでいる事が明らかになるという内容です。「恐怖の足跡」のリメイクではありますが、オチが同じというだけで内容的には全く異なっています。
ルイスから逃げきったアレックスが奇妙な幻覚に襲われたり、度々現れるルイスの姿に怯える様子が描かれていきますが、全体に漂う雰囲気は「恐怖の足跡」よりも「ジェイコブス・ラダー」に近いですね。
オリジナルの主人公メアリーは人とのかかわりを避ける行動と彼女にしか見えない死者たちの幻覚によって孤立無援になっていきますが、今作の主人公アレックスは歌手を目指す妹や彼女の家でもあるバーで働く店員の黒人や常連客など結構親身になってくれる人がいるのでオリジナルの様な孤独感などはないですね。
ホラー的な描写はアレックスが見る幻覚に登場するクリーチャーですかね。このクリーチャーの動きとかも「ジェイコブス・ラダー」っぽいんですよね。アレックスが準備中の移動遊園地に入っていく所で、作業してる団員たちの顔が白塗りなのはオリジナルの死者たちを意識してるのかな?「準備中だから出ていけ!」と団員たちが迫って来てアレックス悲鳴上げるけど当たり前の事言われてるとしか思えなかったぞ(笑)洗車中に怪物が現れ車内が水で満たされていくシーンはオリジナルの自動車工場のシーン意識したのかな?
アレックスの前に突然現れるルイスはオリジナルでハ―ヴェイ監督が演じた死者の男の立ち位置なんでしょうが、抜群に薄気味悪くて不気味だったオリジナルと違ってこちらは全然不気味さも怖さもなくただの変態ロリコンハゲ親父にしか見えません(それはそれで怖いか?)
アレックスと接近して自分のボートに誘うマイケルは渡し守の役割か。向こうにもそういう存在いるんですね。
アレックス役のボビー・フィリップスは美人でした。妹サラ役で「SAW」のアマンダ役でホラー映画ファンには馴染み深いショウニー・スミスが出演しています。
クライマックスは移動遊園地のサーカステント内が舞台になりますが、オリジナルの死者のダンスのような幻想的で不気味で強烈に印象に残るものはなかったのは残念。少女の服装になったアレックスが自分より大きいドアの前に立つ所は「不思議の国のアリス」っぽさ出てました。
出所したルイスがお礼参りに来なければこんな事にならなかったわけだしこいつは本当にクソですね。アレックスの前に現れたのは試練としてのルイスで本物ではないのかな。こいつは地獄に行ってる事を願う。
リメイクとしては違い過ぎるし薄気味悪さもない駄作ですね。「ジェイコブス・ラダー」の影響うけたサスペンススリラーとしてはギリアリかな?