ミク

愛してるマルスンさんのミクのレビュー・感想・評価

愛してるマルスンさん(2005年製作の映画)
4.0
中一の少年がキムチ甕に囲まれて広げる新聞には、朴正煕暗殺の見出し。暗殺?学生たちはその言葉の意味も分からず、厳しい軍隊のような男子学校へ通う。みんな坊主に学ラン、お揃いの紺色の靴。

下宿している少し年上のお姉さんへの淡い恋物語。オンマの小さな事も気に入らない反抗期。下町ノスタルジーな光景にホカホカするのも束の間。

理不尽な体罰と処分を受ける、中指と薬指がない密かに仲の良い友人の怒りの目つき。歌と悪戯好きな隣に住む知的障害者の少年。本当は看護師になりたいが学校に通えないお姉さん。

米を炊く時は、指の第3関節まで水を入れるのよと急に教えてくれるオンマ。

何一つ贅沢でもない当たり前が、手に入らず現実の辛さが苦しい。小さな妹が、米を洗うのを手伝ってくれて、重なる手と手。そして「愛してるよ、オッパ」って。号泣。
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