映画全体の統一感は心地よく、とても良かった
あの階段、傾斜が急すぎて怖いなぁ、とは思っていた(せっかく治った子どもが落ちちゃうのかな、とか思った)
しかし男の器が小さすぎやしませんか
五体満足で帰還出来て、家族も無事で、それでいいじゃないですか
ちょっと古めかしい男性理想主義に過ぎる気がする
自分だったら、あんな生温い終わり方ではゆるさないな
不穏さを漂わせて終わらせる気がする(つまり、母親は後日脳しんとうで死んでしまうのだ)
すこし擁護するなら、戦地を経験した男の、なにかしらの感覚がバグっている、という可能性は充分ありえる
力の出し方の調整が馬鹿になっている、というか
しかもあの夫の立ち振舞は、決して粗野ではないし、教養もある人間であることは理解できる
同僚との会話でも、自己分析できてるし客観視もできている
でも、気を抜いた、ふとした瞬間に暴力が表出してしまった、と考えると、これは現代男性の問題にも通じるリアルな描写であるのかもしれない(あくまでも、擁護するならだけど)
ラストのあの人だかりはなんだったのか、気になる(本当に死んだのか?と自分なんかは思った)
またいつか見直すだろうと思う
いい映画ではあるので
追記
大河ドラマ「べらぼう」を観るよりこの映画を観るほうがいいと感じる
どれだけ人情ドラマに仕立て上げたところで、社会の構造上の問題が頭にのしかかってくる
建屋の2階では射精している訳なんでしょ 無理でしょそんなもん
買春を扱っておきながら上手くオブラートに包んで透明化してしまうわけでしょ
良くない、あれは。