戦争に翻弄されたある夫婦の物語。
息子の入院費を稼ぐために一度だけ身売りしてしまう時子。そんなある日、ずっと帰りを待っていた夫が戦地から帰ってきて…
誰にだってあるどうにもならない気持ち。こうした方がいいって、仕方がないってわかってても止まらない衝動ってあるんだよな。
「あの女のことは許せて奥さんのことは許せないのかい?」と笠智衆が問いかけるあのやりとりが好き。(ショッキングなのは次のシーンなのだけど。)
途中まで冷たくて、辛くて、どうしようと思うくらいホラーだったのだけど、やっぱり小津作品はあったかかった。(と思いたい。)