1940年、低予算映画専門PRC製作の吸血鬼映画。人望のある医師ベラ・ルゴシは、人知れず吸血コウモリを電気刺激によって巨大化する実験をしている。それは彼を利用するだけ利用して富を築いた化粧品会社一族に復讐するためだ。ルゴシは、チベットのラマ僧が儀式に使う香水を試作品のローションに混ぜ、その東洋の匂いのついた人間を巨大コウモリに襲わせる(巨大と言ってもせいぜいフィリピンオオコウモリだが)。 化粧品会社からのボーナス小切手の額を見たベラ・ルゴシに、資本家打倒の共産主義的な悪魔の声が聞こえてくる。新聞社がフェイク写真に使ったコウモリの剥製の左翼に貼られた「made in japan」のタグへの嘲笑。のび切ったつまらない映画だが、1940年という時代が何を恐れ何を憎み何を嘲っていたのかのかは伝わってくる。