ハル・アシュビーというよりニール・サイモンの映画で良かった。男女のシンプルな話なのに『雨に唄えば』の再現やベッド上の会話等、ユニークなシーンが多い。

バッターボックスに立つ男と舞台上の女のクロスカッティング(歌がそのまま劇伴になる)は夜間練習の場面で反復されるが、経済的な物語運び中にもサントラを流し続けるのが正に80年代のテンション。

ただヒロインがいるだけで覚醒するという自己中かつあまりに野球を舐めた設定なので、批評家が嫌っているのも頷ける。
そもそも恋愛映画なんだろうけど、人はスポーツが絡むとどうしてもそちら(運動)にフォーカスしてしまうので…。

ハルアシュビーらしいビターエンド感にドギマギした。ギラギラなファミレス破壊にお仕着せ上納セックスはキッチンはあいつが料理してた場所だから…で拒否。キャラクターと演技を掘り下げるようなシナリオに見えるように映画を運んでいくハルアシュビーの映画はやっぱり唯一無二のように見えてめちゃくちゃおもろい。
野球場面の横移動とヘリ？からの俯瞰もかっこいい。
友達が日本語訳（？）したので字幕欲しい方は言ってください。

女はルックス第一、殿堂入り間近のメジャーリーガー。レコードデビュー目指してがんばるデモー姐さんをはなから応援する気も興味もなく自分のヒットのお守りとして身近に置きたがるセルフィッシュでちょっと腹立つマイケルオキーフだけど、もちろん悪いヤツじゃないし、経験のあとにほんの少しだけ変わったりする瞬間を見せてくれるのもいい。殿堂入りしたけどその試合は接戦で負けてしまうなんともいえない結果と爽やかな別れ。デモー姐さんのステージ、ダサいダサいと言いながらもう麻痺して好きになりそう〜