再見。
虚構だけで構築された珍妙な筋書きに沿って次々と披露される洗練されたサスペンス。2時間越えでも全くダレない。むしろ、大農場での反対車線にいる男との対峙や、敵アジトで家政婦に見つかったときの溜めの強さはこの長尺でなければできないスリルでもある。
特にエヴァ・マリー・セイント(フィルモグラフィーでも最上級の美しさ!)が出てロマンスも絡んでくる後半が途轍もなく面白い。初邂逅での鉄道警察を煙に巻くやり取りは、ここまでクールなロマンスの始まりは中々お目にかかれない。その後の食堂車での会話もうっとり。
クライマックスのラシュモア山での格闘は、初見時はタルく思えてしまったが今見ると5分くらいしかないし、落ちる落ちないに徹底したアクション設計も相当に楽しかった。