イチロヲ

復讐無頼・狼たちの荒野のイチロヲのレビュー・感想・評価

復讐無頼・狼たちの荒野(1968年製作の映画)
3.5
妻の敵討ちのためメキシコを訪れたイギリス人紳士(ジョン・スタイナー)が、圧政を敷く将軍(オーソン・ウェルズ)と反体制運動家(トーマス・ミリアン)に肉薄していく。異邦人によるリベンジ劇を描いている、マカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)。

文明発展のための独裁体制を時代背景にして、「革命的行為の何たるか」を説いている作品。前半部では、反体制組織が蜂起するまでの出来事を回顧。そして後半部に入ると、革命家の行動理念を問題提起していく。

メキシコの将来を憂える気持ちがソリッドに変容していき、日本の連合赤軍と同じような状況下に陥る。周囲を煽るだけ煽って、報復を受けたら、報復でやり返す。世直しの精神は、一体どこへやら。

ラストの大乱闘こそ見応え満点だが、回想シーンを多用しながら要点を付け加えていく作劇のため、良くも悪くも視点がグルグルと回ってしまう。とはいえ、革命行為の理念をテーマに取ったマカロニでは、及第点といったところ。
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