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ボーン・コレクターのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ボーン・コレクター(1999年製作の映画)
3.7
アンジーが美しい。
久しぶりに観た。『ボーン・コレクター』。

科学捜査による鑑識の権威だったが、殺人事件の検証中に事故で体が不自由になり、寝たきりになって生きる希望を失うデンゼルワシントン。

一方、警官の職務にやる気を感じながらも過去の家族の不幸で未来が見えなくなるアンジー。
たまたまパトロール中の通報で死体を発見してしまう。

ただ、自分には関係ないと人事異動を希望するが、その死体発見の際の証拠の検証能力を見抜かれ、デンゼルワシントンの捜査に抜擢される。

証拠の検証とそこから導き出されるヒントからロジカルに迫る寝たきりの調査官と、現場に赴き彼の目となり、耳となり、鼻となり、手となり、足となる女警官。

事件が度重なり、隠されたヒントが少しずつ紐解かれ、何かを伝えてくる。
それを手繰り寄せながら真相に近づいて行く。

その結末がまさかの自分との因縁に起因して行く、、、。

先日観た『トレーニング デイ』が2001年。これが1999年。
この頃のデンゼルワシントンの演技の幅、過渡期って感じで、脂も乗ってて絶好調って感じ。

本作も寝たきりで、色んな人との会話とか考え事とか、目線とか、動きの少ない演技で圧倒する。

その分、アンジーが動きを作る。
比較的凡人の冴えなくて、色素の薄い感じのメイクで、イチモツ抱える幸の薄い役所ではあるが、その存在感がスゴい。
スター性を隠しきれてない。

この2人だからサスペンスとしてエンタメ映画になってる気がする。

この2人が先の見えない謎のヒントが残る捜査を進めて行くうちに真相に迫りつつ、似たもの同士の2人の距離が近付いて徐々に阿吽の呼吸になってく感じと、最後のクライマックスでそれが発動する感じ。

静かに盛り上がって行く流れがとても良い。

「運命は自分で切り開くものだ」。
よく聞く言葉ではあるけど、この設定で彼から発せられる重みが凄かった。
そして、それを切り返すアンジーの懐の深さというか、優しさ。

かなりサイコな事件のサスペンスなのに、逆にそれが対称的に妙にヒューマン的な血の通った暖かみも感じれる作品。
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