sobayu

血の伯爵夫人のsobayuのレビュー・感想・評価

血の伯爵夫人(2009年製作の映画)
4.0
タイトルからしてエログロB級みたいなのを勝手に想像していたのだけど全然違った。エリザベートそのままで綺麗なのに!と言いたくなったけど、美しいか否かという価値観の中で彼女を慰めようとしても無意味なんだよなあ。

処女の生き血を啜るに至る流れが丁寧で、女としてはその気持ち痛いほど分かる。エリザベート本人が見る鏡の中の顔と実際の顔が微かに違っているのもゾッとした。

年下の彼の前だけでは無邪気で少女のような一面を見せてそこに男は恋をする、みたいなよくある描き方じゃなかったところがさすが女性監督と思ったな。男性が作り上げた価値観で成り立つ世界に生きている苦しさや矛盾も描かれてて、悲恋の恋物語というより、ひとりの悲しい女の人生の映画だった。
sobayu

sobayu