このレビューはネタバレを含みます
オットーから来ました。
原作とリメイクどっちが論争がありますが、本作とオットーはどちらも甲乙付け難く、どちらも良作という稀有なケース。大きな違いは…オーヴェとオットーのキャラの違いか。
作品全体に言える本作のおっとりしたのどかな雰囲気が、オーヴェにも反映している。妻を失いヒネてはいるがどこかコミカルなオーヴェ。イライラ怒る姿も死のうとする姿もどこか悲壮感に欠けコミカル。イライラマックスのオットーとは大きく異なる。
又細部の作りはオットーに劣るが、ただ、それが本作のマイナスにはあまりなってはいない。むしろ、住民との関係性の移り変わりや、妻の教え子、そしてオーヴェ死後の描写、ネット放送局の取材陣とのやりとり、オーヴェが死ぬまでの描写、ネコアレルギー等、完璧な作りのオットーに比べて自然さが本作にはあるかもしれない。
最愛の妻に先立たれてヒネリ散らかしイジワルで自殺しようとするオーヴェ。しかし、近隣の住民との交流がオーヴェに生きる理由を与えそして惜しまれてその命を閉じる。
オーヴェのようにひねくれた私のような者には刺ささります。私はオーヴェのように温かさに包まれた死を迎えることは無いでしょうが…。
ハート温まる、切なくていい話です。