桔梗F

ペーパーハウス/霊少女の桔梗Fのレビュー・感想・評価

ペーパーハウス/霊少女(1988年製作の映画)
4.5
出演 シャーロット・バーク、エリオット・スピアーズ、グレン・ヘドリー、ベン・クロス

11歳の病気の少女アンナ(シャーロット)は、ある日画用紙に1軒の家を描く。
すると、彼女の目の前に絵と全く同じ造りの家が現れる。
アンナは画用紙に次々と絵を描き込んでいくが…。
日本未公開のファンタジーホラー。

アヴォリアッツ国際映画祭など各映画祭で授賞した秀作だが、興行的にこけました。

主人公がオーディションによる新人で売りが少なく、児童虐待描写もあるので本国イギリスでR15指定受けたからかも…子ども主人公映画なのに

主人公の少女が現実と別(夢)世界を行ったり来たりするので「パンズラビリンス」「エルム街の悪夢」に設定は近いものが。
現実と空想、大人と子どもの対比という点でやや「パンズ」寄り※骨子もエグさもまったく違いますが(苦笑)

ホラー映画ではないんですが、主人公が絵に父親を描いて、色々あってその顔を真っ黒に塗りつぶしちゃったら…さあたいへん!!
夢世界に恐怖のハンマーパパ登場(-_-;)
少年少女に襲いかかるハンマーパパ!!

ある意味「シャイニング」で下手なホラーより怖い(苦笑)

映画自体は少女が現実世界と空想世界の行き来を通しての家族、友情、愛情、そして、思春期から大人への成長を描いたもの。

ハンス・ジマーの音楽も緊張感や怖さを煽り効果的に作用(-_-;)

役者陣も新人を支えるべく両親や主治医役にグレン・ヘドリー、ベン・クロス、ジェマ・ジョーンズ。

夢世界も建物のデザインは子どもたちが描いた絵をそのままミニチュア化。低予算ながら建物内部もしっかり作り込んでいます。

シナリオ、演技、音楽、美術どれも素晴らしく、底抜け劇場公開大作より数段いい映画です(^^)

主人公と少年マーク(エリオット)の友情、淡い恋が切なすぎる…
悲しさと感動が入り混じった見事なラストとハンスジマーの曲に合わせた空撮エンドロールで涙が出てきました(;o;)
ラストの余韻は「テラビシアにかける橋」級!!

マーク役のエリオットくんはイケメンで演技もすばらしく将来が期待できたのですが、20才ころお亡くなりに。
お悔やみ申し上げます(..)

ちなみに副題の「霊少女」は特に関係ありません(苦笑)
画質は思った以上によかったです(^^)
桔梗F

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