しの田

血の祝祭日のしの田のレビュー・感想・評価

血の祝祭日(1963年製作の映画)
2.0
 鮮やかな血、惨殺されたエロい女、狂信者、ジジイのヒーロー、身体障害者の悪役……古いホラーのお手本みたいな映画だ。しかし、良いところが特に無いだけでなく、演技と演出に関して悪いとさえ言える。被害者も犯人も悲しむ家族も目に余るレベルで酷い演技。展開や見せ方も単調でサスペンスやスリルを全くかきたてられない。イシュタル信仰はシュメールでエジプトじゃないよな。まあエジプトにも波及してはいるが、この描き方はもう混同と言って良いレベルでは
 まあ、昔のB級ホラーに期待しちゃいけないってこと。残酷な身体損壊をあからさまに映していて、当時にしてはかなーりショッキングだったんじゃないかと思った。ケータリング業者に娘を殺されかけた母親が、「みんなにはハンバーガーを食べてもらわなくちゃね」って呟いたのがなんともゾッとする。あそこだけガチで怖い。
 一つストーリーで疑問だったのが、古代のカルト儀式の書籍を購入した若い女性が、近隣にここまでたくさんいるってそんなのあるか? 乱暴な真相…とも思うし、導出される知的な女性のイメージは、お話全体に滲み出るアバズレは苦しんで死ねという思想にも合わない気がする。
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