皿鉢小鉢てんりしんり

モール・ラッツの皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

モール・ラッツ(1995年製作の映画)
4.7
最高の映画ですよ。
女に振られたオタクが2人、ショッピングモールに行こうぜ! クッキーが美味いから、と繰り出す。
ずっと見てると絵が浮かび上がってくるトリックアートが、全く何も見えずに1週間立ちすくんでるデブ、その横でどうでもいい文化祭の出し物みたいなカップル成立番組の舞台が組まれ、ジェイ&サイレントボブの不良2人がぶち壊しを企む。鬼門となるのは、403人逮捕して2人射殺したベテランデパート警備員。
主人公2人はクッキー試食コーナーはフードコートと言えるのかを議論……
こんな幸福な時間が流れててたまるか。
『クラークス』、『ビーバス&バッドヘッド』、『ビッグリボウスキ』(の全ての源点となるリンクレイターの『スラッカー』は未だ見ることが叶わないが……)の系譜に連なる紛れもないケヴィン・スミスの楽園。(日本では森見登美彦モノってやっぱこのポジションだったのではなかろうか。)
って思って見てると、なんとこの映画は単に荒唐無稽なから騒ぎじゃなくて、ちゃんと作劇的クライマックス(カップル成立番組ぶち壊し)があって、それがめちゃくちゃ面白い。
まさかの“ウェルメイドなラブコメディ”として幕を引いていくこの映画にいたく心を打たれた……