つるみん

天はすべて許し給う/天が許し給うすべてのつるみんのレビュー・感想・評価

3.9
ダグラス・サークの作品って粒子の粗さ関係なく僕みたいな素人ですら丁寧に作ってるなって分かるんですよね。
例えば紅葉のシーンや雪のシーンなどは絵画を眺めているかのような美しさ。単なる背景では終わらせないサークの芸術美に痺れる。
メロドラマの先駆者とも言っていいサーク。本作は『エデンより彼方に』の元ネタとして有名ですが、恐らく50年代アメリカの日常を象徴しているのでしょうね。徴兵の話も出てきましたし。
とは言っても大きなテーマとしては〝偏見〟なのではないでしょうか?これは現代に通ずるもの、いや人間が存在する限り絶対にありますね。もしかしたら動物界にも〝偏見〟ってあるのかもしれませんね。周りからの〝偏見〟に揺らがず、自分の信じた道を進む、だって人生は一度きりなんですら。

サークの『僕の彼女はどこ?』もそうですけど、60年前くらいの作品なのに今でも通ずるという事はやはりサークは人間の本質を見抜いているってことですよね。
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