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トム・ハンクスの 大迷宮の一人旅のレビュー・感想・評価

トム・ハンクスの 大迷宮(1982年製作の映画)
3.0
スティーヴン・ヒリヤード・スターン監督作。

ミシガン州立大学の男子大学生がテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」への没頭によって現実と空想の境界が曖昧となり精神錯乱の末に自殺を遂げたという都市伝説に着想を得た、アメリカの作家:ローナ・ジャフィによる1981年発表の小説「Mazes and Monsters」をスティーヴン・ヒリヤード・スターン監督が映画化した青春サイコサスペンスで、名優トム・ハンクスの記念すべき映画初主演作であります。

転入先の大学で3人の仲間たちとプレイするテーブルトークRPG「迷宮と怪物」の世界観に嵌り込んだ男子大学生が、次第に現実と空想の区別がつかなくなり正気を失っていくまでの過程を描いた青春サスペンスで、当時26歳のトム・ハンクスがゲームの影響で気が触れる大学生を妙演します。

プレイヤーのイマジネーションが試されるボードゲームに心理的な悪影響を受ける大学生の精神錯乱の様相と仲間たちとの友情の崩壊を悲哀的に見つめた社会派テレビ映画で、大学生が洞窟内で遭遇する想像上の産物であるモンスターの造形が戦隊モノに登場するチープな着ぐるみで恐怖感が伝わってこないのが欠点ですが、大学生が探す“二つの塔”(元ネタはトールキンの「指輪物語」)をNYワールドトレードセンターのツインビルに準えるという空想と現実の融合構造等はよく考えられています。
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