Yuya

下女のYuyaのレビュー・感想・評価

下女(1960年製作の映画)
5.0
狂人キム・ギヨン 61年前の怪作…
この生々しさ 人間の業 罪と罰の理は
いまや世界を席巻する韓国映画の源流

階段の上下 持つ者と持たざる者
社会の枠組みのように閉ざされた
窓越しに映る “縮図”としての家族像

正義と悪では 安易に片付けられぬ
社会と人間が生み出す 歪んだ軋轢こそ
韓国映画が 最も得意とする社会描写だろう

いや ホント ものすごい怖い…
正しい者がいないというのは つまり
誰もが間違いうる…加害者として被害者を演じられる
そんな 自然である事の不自然さを
脳裏に叩き込んでくるもんなぁ

冒頭 華麗に糸を手繰ってゆく 子供達のあやとり
あんな風に絡まる事なく 人間関係を紡ぐのはとても難しい
人生には図らずも 突如として 凶暴なピアノのように
暗い不協和音が 鳴り響くこともあるのだ
Yuya

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