品川巻

下女の品川巻のレビュー・感想・評価

下女(1960年製作の映画)
4.4
面白すぎる。。。階段の構図とか、楳図かずおの『おろち』じゃん。。。こんなサイコサスペンスが1960年の韓国で撮られてたのか。すごい。

家父長制/男性優位が今よりも主流だった韓国で、女性が自立して幸せを得られない環境だったからこそ起きた悲劇。
仮面のような顔をした下女が、幸せな家庭を徐々に侵蝕していく様は、『パラサイト』にも影響を与えたらしい。今思えば、階段や窓、仕切りによって身分格差や階級の壁を描いているのも全く一緒。

登場人物はほぼ全員ぶっ飛んでるけど、個人的には一番まともそうなオカンが地雷。大事な子供に、「あなたの足が治ったらこの家はもっと幸福ね」って諭すシーンとか、背筋が凍る。

あの緊張と緩和のラストは、当時の男性が女性に責任転嫁していることへの皮肉にも捉えられるけど、賛否両論あるのは頷ける。。

ハリウッドや日本の古典映画は今でも当たり前のように触れられるけど、他の国の古き良き名作はなかなか見つからないのがもどかしいなー。
品川巻

品川巻