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下女のKAKIPのレビュー・感想・評価

下女(1960年製作の映画)
4.5
記録用
キム・ギヨン監督作品。

専門家たちによって選ばれる韓国映画オールタイムベストで1位にも選ばれ毎回上位に入選するレジェンド映画。

ポンジュノ監督のオールタイムベストにも選ばれており「パラサイト」ではこの作品の影響、そしてオマージュが捧げられていた。

映画的に階段の階層によって人物たちの家族の中でのイニシアチブの奪い合いをうまく見せている。
この映画では主人のいる2階とハウスメイドのいる一階で展開されたが「パラサイト」では一階と地下で表現されておりどちらも階段での演出が多用されていた。

中産階級である主人公の家に雇われるハウスメイドが侵食していき家族を乗っ取り崩壊させていくのだがその過程がまさにホラーであり雨の中ベランダの外からへばりついて中を覗く様子は楳図かずおの漫画の一コマのようだ。

徐々に格差社会が広がり中産階級の崩壊を予見したような内容で男性の下心からの発端であったのにも関らず全ての業を背負ったが数十年経ち「パラサイト」では下女側に一縷の希望が見出されるのは時代の変化だろうか。

書いていてあまりにもパラサイトとの共通点が多く驚いたが下女のオープニングタイトルはポンジュノ監督の父であるデザインを生業にしていたポン・サンギュンさんということで運命的な結びつきがあるような気がした。
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