ルチオ・フルチ作品再鑑賞の回、その第五弾。
「墓地裏の家」の後にジャッロに回帰した本作だが、この後の作品となった「マンハッタン・ベイビー」を皮切りにさらに駄作が続く。フルチ作品で面白いと言えるのはここまでかな。なのでフルチ再鑑賞の回もいったんこれで最後にしたい。
絶頂期三部作と比較すればグロは控え目だけど他の監督作品と比べればやっぱり執拗。特に刑事お気に入りの娼婦を電話越しでいたぶるシーンは偏執的だ。ストーリーは雑で取り留めも無くミステリー作品としては不合格だが、ジャッロであれば許せる範囲だろう。
「墓地裏の家」でも触れたとおりフルチはバッドエンドが好みで、本作もせっかく真犯人を突き止めてファイナルガールも無事だったのに、余命僅かな真犯人の娘があまりにも痛々しく、父に電話に出て欲しくてかけるのに出ない(出られるわけが無い)という絶望的なラストシーンを見せられて鬱になるw
ドナルドダックみたいなしゃべりをする犯人や、最初の飼い犬が人間の手首を持ってきたときの飼い主の顔のアップ(フルチ得意の目のアップ)は何度見ても笑える。