りっく

マーゴット・ウェディングのりっくのレビュー・感想・評価

マーゴット・ウェディング(2007年製作の映画)
3.8
ニコールキッドマンとジェニファージェイソンリー演じる姉妹を軸にした毒っ気と痛みたっぷりの辛辣コメディ。

自分の家庭事情は棚に上げ、周囲や世間体を馬鹿にし見下ろすようなエゴと自意識の塊のような人間が、その分厚い面をまるで玉ねぎの皮を1枚ずつ剥がされるように露わになり、惨めでちっぽけで嫌味な自己から初めて向き合い、自分の気持ちに正直に行動するまでを描く。その過程で周囲の人間たちの過剰なリアクションやドタバタ展開で笑わせられるものの、自分の心に手を当てれば、思い当たるところがあるだろう。

隣人からクレームをつけられる庭の大木。地面の下には腐った根が張り巡らされ、ギリギリ大木を支えている。だが、気持ちの整理をつけようと思いっきりチェーンソーの刃を走らせる。その大木が倒れることで隣家を仕切る柵などを破壊してしまうことも含め、本作の人物関係を端的に象徴していて効果的。
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