Shaw

不安は魂を食いつくす/不安と魂のShawのレビュー・感想・評価

4.4
07.03.2021
02.14.2022

ファスビンダーは敬愛するサークの『天はすべて許し給う』のアプデとしてこれを生み出したわけだが、タランティーノみたく単にその愛を爆発させるに止まらず、この手のジャンルの作品の構造を自己分析してみせる。

ドラマタイズするために作為的・予定調和的に仕込まれた展開がやけに感傷的なストーリーを創出しつつも、ある意味冷淡とも言える監督の目線が終始感じられる、ここにファスビンダー唯一無二のスタイルが宿る。本作はその最も顕著な例。

受難とすれ違いによってのみその想いが確かなものとなり得る、つまりは「幸せが楽しいとは限らない」。
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