ヒロ

不安は魂を食いつくす/不安と魂のヒロのレビュー・感想・評価

4.3
掃除婦として働く初老のドイツ人女性エミ、20歳以上も年の離れたモロッコからの外国人労働者アリ。ヒトラーの残した負の思想がいまだ根強く残る1974年の西ドイツを舞台に2人が差別や偏見と闘いながら愛を育む姿を描く。

国籍も世代も違う2人の愛にはいくつもの障壁が。
隣人からは蔑まれ、同僚からはハブられる、家族にさえも拒絶される。抗うエミに対し、外国人なんだからと表面上は受け入れるアリ。だがその我慢は徐々に彼の内面を蝕んでいく。
機械的なカット割り、フレーム内フレームにポツリと佇むワンショット、意図的に引き伸ばされたカット尻が彼らの孤独や世間の冷たさを助長する。

おそらく移民問題に解決策なんかないんだろう。
大きな共存は諦めて、各々が目の前に小さな共存を作ればいい。

尺が90分と短めなので急展開なのは仕方がない。
恋はいつでもハリケーンなのだ。
あとビール注ぐ時はグラスを傾けよう。泡9のビールは流石にちょっと、、、急にブッ込んでくるジョークも嫌いじゃない。
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