じぇいらふ

仕組まれた罠のじぇいらふのレビュー・感想・評価

仕組まれた罠(1954年製作の映画)
4.3
🧐フリッツ・ラング監督作品観まくるシリーズ(だいたい年代順)🎥

前作『ビックヒート/復讐は俺に任せろ』に続けて、グレン・フォードとグロリア・グレアム共演。今度はメロドラマ要素強めの犯罪モノ。これも面白いなあ。結構ラング観まくるシリーズも終盤で作品知名度は低めなんだけど、寧ろここら辺の作品が良いぞ👍👍👍👍

線路。運転席から進行方向に向けて走り続ける列車。運転士はグレン・フォード〜はじまり🚂🚃
戦争帰りの列車運転士のジェフ。クビになった同僚のカールは、なんとか復職をする為に妻ビッキーの昔の知り合いで権力者オースティンに口添えを頼む。しかしそのことで妻の不倫を疑ったカールは、ビッキーに手紙を書かせて、オースティンを列車におびき寄せ殺してしまう。同じ列車にはジェフが乗っていてビッキーと出会う。。。

エミール・ゾラの小説『獣人』の結構な脚色らしいです。邦題『仕組まれた罠』って言えなくはないけど、やっぱり原題の”human desire”=人間の欲望~の方が作品全体のテーマに合ってますな。夫の欲望、妻の欲望、男と女の欲望が引き起こす恐ろしさ。

メインの3人がいいです。
夫のカール役ブロデリック・クロフォード。大きな図体で、いつも酔ってて、妻に避けられる悲哀さと、嫉妬に狂って犯罪に走るオッサンってとてもラング的男性でいいすね。

ジェフ役グレン・フォードは今回列車で妻ビッキーと出会って、犯罪に巻き込まれながらも、彼女に惹かれていく不倫ドラマ展開。彼は下宿の美人娘(こっちの方が絶対良くない?😆)にもモテモテで実にうらやましい笑。グレン・フォードって刑事とか運転手とか労働者姿が似合うかっこよさ。ちょっとB級感ある50年代らしい男優。後バート・レイノルズに通じるワイルドな感じ。

妻ビッキー役グロリア・グレアム、前作以上に今回存在感あります。夫になじられる可愛そうな人妻でありながら、ある種の強かさとを感じる謎めいた難しいキャラクターを演じてます。実はアカデミー賞助演女優賞採ったことあるキャリア方だったのね。

今作は列車がとてもいい映画的な舞台設定になってます。冒頭から走る列車の見事なシーン。列車内の密質殺人とサスペンス。幾度も流れる列車の走る音。夜の列車のライト。殺す殺さないが上手く見えない感じの列車の使い方等々、列車使いまくり。流石のラング演出👍✨

終盤の妻ビッキーのジェフへの言葉「彼に、、、」こそが、『仕組まれた罠』ですな。。。どうなるのか⁉️50年代作品的な闇な感じがいいです。

、、、下宿の娘に東京土産として渡した、浴衣?法被?が、一体どこのお店で買ったんだよ⁉️感笑。梅仁丹🤣