ハナカズキ

イングロリアス・バスターズのハナカズキのレビュー・感想・評価

4.0
DVDを持っていて、いつでも見れるという余裕(油断?)からついつい後回しにしていましたが、ようやくめでたくNetflixでこちらの映画を鑑賞するという日を迎えました。長年温めたDVDの出番なし。

舞台はナチスドイツ占領下のフランス。登場人物はたくさん出てきますが、主に、ナチス親衛隊のランダ大佐、彼により家族を殺された少女ショシャナ。そして、ナチを一掃する計画を立てているアルド・レイン率いるユダヤ系アメリカ人からなる秘密部隊「イングロリアス・バスターズ」。更にスパイやそれからもちろんヒトラーも加わり、それぞれの視点から描かれた物語がやがて一つにまとまっていき、彼らの思惑が交錯していく物語です。

戦争が舞台の物語らしく序盤から緊張感が漂い、物語終盤までそれが続くのですが、だからと言って張り詰めた空気感一本調子にはならず、どことなくとぼけていると言うか、肩の力が抜けたような雰囲気も同時に漂うところが、タランティーノ節といったところでしょうか。

第二次世界大戦、またはヒトラーやナチスを扱った映画はたくさんあります。しかし、タランティーノが扱うと、これほど他の映画とは全然違う映画になるんですね。

まず、戦争映画らしい戦闘シーンは一切出てきません。ただ、その代わりって訳ではないでしょうが、けっこうなグロシーンはあります。

そして、全く史実に基づいてない。そんなのアリなの?と言いたくなるほど自由なお話になっています。でも、きっとこれがタランティーノ流の反戦映画なんでしょう。

ハンス・ランダ役を演じたクリストフ・ヴァルツが、上品そうにしゃべっていても胡散くさくて、憎たらしくて、最高の演技でした。

2025-29
ハナカズキ

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