KAJI77

イングロリアス・バスターズのKAJI77のレビュー・感想・評価

4.5
〜個人的には記念すべき500本目のレビューになります。まだまだ観たい作品も万斛というところなので、至らない批評にはなりますが今後とも御付き合い頂ければ嬉しいです!よろしくお願いします!〜

そんなキリのいい作品として鑑賞しましたのは、クエンティン・タランティーノ監督がナチスとユダヤ人の歴史的因縁を、コミカルで斬新な視点から切り崩した映画、『イングロリアス・バスターズ』(2009) です!

【あらすじ】
舞台は第二次大戦下のヨーロッパ。ナチス・ドイツが圧倒的な支配力をもって戦火を治めていた時代に、歴史には語られないユダヤ系アメリカ人の小隊が存在した!アルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)が指揮をとり、殺したナチス兵士の皮を剥ぐ彼らは人呼んで"バスターズ"。様々な思惑が交錯する中、彼らを待ち受ける運命とは…?

稀代の天才として名高いタランティーノ監督。彼の作品の特徴は、なんと言ってもその精緻を極めた脚本。本作は5章で構成されており、序盤で与えられた情報が終盤にかけて一気に集結し、見応え満点のカオスへと昇華していく様子はさながらジグソーパズル!それぞれのキャラクターのことを知った上での大団円だからこそ生まれてくる緊張感は、正しく監督の綱領と言って差し支え無いでしょう。

また、避けては語れないのが俗に"タランティーノ節"とも言われるお洒落過ぎる「会話劇」。戦争がテーマという事もあり、ご多分に漏れず今作でも銃撃戦がある訳ですが、銃身の見えない会話の段階から水面下で行われている「死ぬか」,「殺すか」の鍔迫り合いに痺れます。ジョークもパンチが効いているものばかりで、シリアスな場面との塩梅もバッチリ。文句はありません!

フランスやイタリア、ドイツ映画への深いリスペクトも十分にみられる作品であり、監督の確かな映画への愛が溢れた素晴らしい一作でした!高評価です!
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