南野陽子と昼ドラ出てた人ですね。

ハン・ヒョジュが出ている「走れ自転車」（2008）とうっかり間違えそうなタイトルであるが、期待が大きかっただけに非常に落胆した作品である。こちらは韓流ドラマでもお馴染みのキム・ジョンファの出演作品である。キム・ジョンファ作品としては「僕の彼女を知らないとスパイ」（2003）という某韓流映画と間違えそうな主演作品と同じく非常に紛らわしいタイトルなのだ。身体に障害を持っているため生きる希望を失っている青年ドンギュ（ヤン・ジヌ）と彼を取り巻く家族たちの話だが、父親はじめ家族や幼馴染との過去のエピソードが現代の話の至るところに挿入されるのでストーリー展開が散漫に感じた。観た人が誰も面白いと言っていなかったので不安に思いながら鑑賞したが、実際本当につまらない作品だった。だいたい手が不自由な理由を何の説明もなしに見せられてもドンギュという人物に感情移入できないではないか。そんな状態で過去のエピソードをいくら見せられてもそこに何を感じろと言うのだろうか。父親（オ・グァンノク）との関わりを描くのであれば、ドンギュがなぜ前向きな生き方をできなくなったのかを掘り下げるべきであって、過去の思い出を振り返ることで現在のドンギュの深い絶望感や心の移り変わりを感じ取ることができるのではないだろうか。一番残念に思ったのはヒロインであるキム・ジョンファの存在がまったく無視されていることだ。冒頭の出会いのシーンからてっきりドンギュとピアノ教師ハギョン（キム・ジョンファ）とのラブ・ストーリーに発展するのかと思っていたら完全スルーされて唖然としてしまった。ただ、少ない登場シーンながらキム・ジョンファは印象的である。ドンギュの恋人ユリ（パク・ヒョジュ）がちょっとムカつくタイプなので優しい笑顔で登場する彼女を見ると心が安らぐのだ。ラブストーリーを期待させる韓国版ポスターはハッキリ言って詐欺である。ポスターでもクレジットでもキム・ジョンファは主役扱いなのに、実際は脇役同然で観た方は大変驚いたのではないだろうか。因みにタイトルの「青い自転車」とは少年時代のドンギュが乗っていた自転車のことである。

09/07/13

実はあんまり覚えてない