爆裂BOX

新バーニング 鬼火伝説/虐殺の谷の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.0
山に週末のキャンプに訪れた6人の男女。しかしその山は30年前、ジプシー集団が住民に焼き殺された場所だった…というストーリー。
タイトルに「新バーニング」とついてますが、当然ながら「バーニング」とは何の関係もなく、なんなら「新」どころかこちらの方が製作年度は古いです。キャンプに来た若者達が火傷顔の殺人鬼に襲われるという設定から便乗してつけたんでしょうね。
山でキャンプや散策をする6人は謎の殺人鬼に次々と殺されていくという「13金」や「クライモリ」のようなベタベタなストーリーですが、80分くらいの短い尺なのに無駄なシーンがかなり多いです。序盤、山に来た中年夫婦がさっそく殺人鬼に殺されますが、そこから山に来た6人の男女がキャンプファイア囲んで「猿の手」の話したり、キャッキャはしゃいだりいちゃついたりするシーンが流れて、更に空を飛ぶ鳥やトカゲ、地面を這うアリやミミズなど森のん動物たちや虫の映像もかなり多めに流されるので、自分が見てるのはホラー映画じゃなくてネイチャー番組なんじゃないかと錯覚しそうになります。ヒーロー役の森林警備員がバンジョー弾くシーンもいるか?と思いましたよ。
カップル二人が殺されてここから殺戮が始まるかと思ったら、そこからまた残った若者達が森の中移動したり川ではしゃぐシーンが描かれて中々殺人鬼も暴れてくれませんでしたね。
若者達のキャラも全然掘り下げられないので、最後の方になるまで誰がヒロインか全然わかりませんでした。まあ、逆に言えばだれが最後まで残るか予想できないともいえるけど…森林警備員も若者達の女性陣と最初の方でちょっと絡みあるだけで、最後の方になるまで全然接触しませんでしたね。
殺人鬼は30年前の山火事で大火傷を負いながらも生き延びた少年の成長した姿のようですが、終盤までは殺人鬼の主観視点で進むので姿は終盤まで出てきません。でもDVDの裏面ではがっつりネタバレされているという…殺人鬼の主観視点時には心臓の鼓動の音がBGMとして流れるのは妙に印象に残りました。演じてるのは「アダムス・ファミリー」のフランケンシュタインの怪物みたいな容貌の執事を演じたカレル・ストリッケンなんですね。
殺害方法も寝袋被せて窒息死させたり首反対向かせたりロープ切って崖から落としたりと地味な物で、斧で首切り落とされた死体の切断面から血がピュッピュ出てたりしますが、画面暗いし、素手で喉引き裂かれるシーンも暗くてグロ度は高くないです。
生き残った女子二人が森の中を逃げるシーンでいきなりスローモーションになるのも全然効果的じゃないし意味不明だったな。
ただ、ヒーローが殺人鬼を倒してヒロインと生き残るのかな、と思わせてからのラストは、最後に流れる「声」といい、殺されるよりも悲惨なヒロインの末路を想像させて後味悪くて好きですね。
無駄なシーンは多いし、グロ度も高くなく正直面白くはない作品ですが、全編に漂う80年代らしい雰囲気など個人的には妙に嫌いにはなれない作品だったかな。面白くはないけど。