たぬき

飢餓海峡のたぬきのネタバレレビュー・内容・結末

飢餓海峡(1965年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


180分あるのに退屈する隙がない。静かなシーンにもずっと殺気がある。

犬飼が八重を殺してしまったのは、犯罪の露見を恐れたからではなく、八重の奥に恐ろしい貧困の面影を感じてしまうからじゃないか。犬飼は八重と初めて会った時も、ほとんど発作のように首を締めていた。恐ろしい貧困の面影は、それを味わった人間にしか解らない。刑事の弓坂もそれが理解できる一人だった。この三角関係が切ない。三人はそれぞれ直向きに生き、優しい人間だった。


粗い白黒。若くて張りがありすぎる高倉健。怖すぎるイタコのシーン。ラストは、海峡に飛び込む犬飼と、それを呆然と見つめる刑事たち。
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