スローターハウス154

ゴーン・ベイビー・ゴーンのスローターハウス154のネタバレレビュー・内容・結末

ゴーン・ベイビー・ゴーン(2007年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2017/12/9

監督はベンアフ、主演は弟アフことケイシーアフレックのWアフ作品。
『マンチェスターバイザシー』のケイシーのヤサグレ感が大好きだったんだけども、この映画のケイシーもやっぱりそんな感じで満足でした。
そんな彼が演ずるは地元っ子で不愛想でスレた若造の私立探偵。
いや、もうこの設定だけでも満足。
浮気沙汰や家出や果てはペット探しという地元レベルのしょうもない仕事をこなす日々の中、ある日毛色の違う事件が舞い込んでくる。断る理由ないまま足を突っ込んでしまうが、その事件はまだ始まったばかりだったのだ....
みたいなドラマやシリーズ映画にしてくれたら絶対観ますって。そんなありきたりな設定でもケイシーのスレたキャラなら格別のはず。監督は、うーん、コーエン兄弟あたりでどうっすかね。

という妄想はここまでにして..
うん、正義の反対はまた違った正義である、っていう内容だったかな。子供にとっての幸せとは何なのか...も付け足すか。
ケイシーが下した選択は、どっちを選んでもいい、っていうことが悩みどころなんだな。
恵まれた環境に育ったとしても、不幸な環境に育ったとしても、人生はどう転ぶかわからない。どんな人生にするか、これは結局のところその子供の運でしかないんじゃないだろうか。
かといって、目の前の不憫な子供を放っておくことはできないし、しかしその子のためにと思って起こした行動が報われるとは限らない、だから結局運でしかない..
そういう考えがもともと自分の中にあるので、ケイシーの選択も別に悪くないと思った。何にせよ誰かが物事の方針を下さなければならなかったのだ。イチかバチかを選択しなければならなかった。その役をたまたま請け負っただけに過ぎないのだ。
そういう点から言えばむしろケイシーは被害者だと思うけどな。あまり彼を、自分自身を責めないで欲しい。

映画に水をさすようだが、だいいち、そんな大ごとにしなくても子供を引取れたんじゃないだろうか。そもそも絶対的な権力があったんだからやろうと思えば"合法的"に何でもできたんじゃない?母親を牢屋にブチ込む理由は十分あったわけだし、それで残された子供は児童養護施設に入れてから養子として引取れば良かったのでは?そうすれば仕事も辞めなくて済んだし、オマケに、哀れな子供を養子に迎えた!ってことで世間から賞賛を受けるのでは...と思ったんですが、そうできない理由ってなんか説明してましたっけか?
いやコレは結果論かな。でもなんかケイシーがムヤミに責められるのがなんか不憫でモヤっとしてしまいましたので。。。