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D.N.A.の8bitのレビュー・感想・評価

D.N.A.(1996年製作の映画)
5.0
【長いです。すみません。。。】

公開当時、今は亡き映画雑誌「ロードショー」にこの作品の撮影時における混乱ぶりを伝える記事が載っていて、あまりのカオスっぷりに何度も読み返した記憶があります。

まず撮影1~2日目にして最初の監督(リチャード・スタンリー)がヴァル・キルマーによってクビになり、後任のジョン・フランケンハイマーが決まるまでの間にヴァル・キルマーとマーロン・ブランドが脚本を改変しまくったそうです。
ドクター・モローの変なメイクも、後半のモンゴメリーの暴走も彼らが好き放題に改変した結果でしょう。
さらに主役であるダグラスの出番も無理やり減らされたようで当初演じる予定だったロブ・モローは先を案じて降板したそうな。

さらにブランドは本番中でもイヤホンを通してセリフを教えてもらいながら演技したとか、キルマーと目を合わせたスタッフはクビになったとかウソかホントかわからないようなエピソードも沢山載っていました。

映画の出来を観る限りこれらの話もあながち嘘ではないのではと思いましたが、この記事を読んだおかげでフランケンハイマー監督をはじめとするスタッフの苦労が同情を誘う、なんだか憎めない作品になりました。

当時上り調子だったキルマーもこの作品を機にパッとしなくなってしまいました(この次に主演した「セイント」も思いっきり酷評されてた)。
クビになった挙句、めちゃくちゃに改変された脚本でラジー賞にノミネートされてしまったリチャード・スタンリーにはかけてあげられる言葉もありません。

最近この大混乱の様子を捉えたドキュメンタリー映画が作られたそうです。
「ハート・オブ・ダークネス」や「ロスト・イン・ラ・マンチャ」に匹敵するカオスな現場がそこにあるはず。

とにかく観てみたい!!
日本でのリリース熱望!!!
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