丑寅

グラディエーターの丑寅のレビュー・感想・評価

グラディエーター(2000年製作の映画)
4.4
リドリー・スコット監督の中で『キングダム・オブ・ヘブン』とどっちか迷うくらい一番好きな作品です。(『エイリアン』は別枠)
古代ローマの話だけど、ゲルマニアでの戦だったり、奴隷となってアフリカに飛ばされたり、意外とロケーションは豊富でそれぞれの美しい風景も楽しめます。
奴隷であるがゆえに、市民の娯楽のためだけに命を賭して闘わされる男たちの悲哀。時には罠にはめられ、お互いの命を預けあいながら共闘していき、そのなかで絆も生まれていく。そこにはかつて戦をともにした部下もいて、そこからもう一度成り上がっていく展開は、やはり胸がアツくなります。
多くの人間の夢と悲劇がうたかたのように浮き出ては弾ける異常な空間。コロッセオはただのランドマークにあらず。ローマそのものを象徴しているように感じます。
思えば、かの有名なカエサルと同じように、古代ローマでは戦で武功を立てた将軍は、後の影響力を恐れた元老院から命を狙われるのが常でした。
国に命を捧げたはずなのに、愛する家族を皇帝に56されたマクシムスは、奴隷という身分でいかにして皇帝への復讐を果たすかが見どころかと思います。
冒頭の麦を撫でて歩くシーンは、ラストまでみるとエモいです。どっかの中国のゲームのムービーにパクられるくらいエモいですね。
丑寅

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