ジム・ジャームッシュの映画は当然のようにロードムービーだが、その体制はこれまでの作品群と大きく異なる。
何しろ主役は殺し屋。
孤独な男のコードネームを持つが、他の殺し屋たちと次々任務のため会っていく。
そのためのロードムービーというわけだ。
詳細な内容はほとんど明かされないし、殺し屋だからと言って派手な銃撃戦や流血沙汰など一切ない。
ほとんどを孤独な男と殺し屋たちのやり取り。そしてスペインの地方を淡々と回っていく。ただそれだけ。
なのでジャームッシュ作品を見たことがないと退屈なだけの映画でバッサリ斬られるだろう。
個人的には美術館めぐりや、テーブルに置かれたエスプレッソを俯瞰で移すカメラワークなどらしいなあと感心したが。
それとスペインの各地を巡る旅に、イザック・ド・バンコレの佇まい。
これを見るべきところとして挙げておこう。
見る人を選ぶ映画なので、そこを踏まえたうえでどうぞ。