TaiRa

アングスト/不安のTaiRaのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
-
変な撮影とクラウス・シュルツの音楽と冷淡な視線が絶妙。ノエが好きなの分かる。

実際にあった殺人鬼による一家惨殺を淡々と再現しつつ、どこかユーモアも混ぜ込んだ凶悪さが良い。GoProみたいな役者に着けた?カメラ視点や頭上から役者を追うカメラの奇妙さが味。幽体視点みたいなこのカメラ位置、ノエがよくやる印象。犯人の境遇を伝えるナレーションや犯行時の殺人鬼のモノローグが常時被さっており、画面上で起きている惨劇と常に一定距離引いた感じがする。あと殺人鬼が「入念な計画を立てた」とか言ってるのに全部行き当たりばったりの犯行でブラックな笑いも生まれてる。人を殺すのは大変、という事は嫌という程分かるのも良い。死体の雑な扱いもある種のギャグとして見せている。うつ伏せの死体を引き摺って階段を降りたりするなど。しかも天丼ギャグ。人間とは別次元の優位性を持ったワンちゃんがかわいい。実際の事件では一家の飼っていた猫も殺されたらしい。リアルタイムゆえの間延びも含めてTPSのホラーゲームみたいな印象も受けたりした。あと死体の顔の青白さが生々しくて怖かった。
TaiRa

TaiRa