umihayato

スモールタウン マーダー ソングズのumihayatoのレビュー・感想・評価

5.0
人間の本質のなかには暴力的な衝動がある。そこにはいまや正義という言葉がくっついてくるし、その正義という言葉には法という言葉もいまならついてくるだろう。

「娘は戻らない。犬なら処刑されるのに不公平よ。それが正義なの?」

しかしこの映画は、暴力とは?法とは?正義とは?みたいな映画では決してない。
それがこの映画のちょっと変わった雰囲気を生んでいると思った。

「はやくぶっ飛ばしちまえよ」と見ながら思う瞬間が度々ある。
それは僕の中の価値観や正義感からであるだろうし、僕の中にある暴力性だ。
その度に画面には戒めの言葉が突きつけられる。

人は本質的に持っている暴力的な自分を変えるために自戒をしなければならない。
それを支えるのは
信仰なのか愛なのか社会なのか
愛が大きな枠と役割を担っているのは真実だと思うのだが
じゃぁその愛はこの主人公にとって
妻へなのか
元カノへなのか
父や兄へなのか
この町へなのか
自分へなのか
自戒の本当の意味は自分を変えることなのか


ピーター・ストーメアいい感じに肥えて歳食ったなぁ。やっぱいいよなぁ。
umihayato

umihayato