グラビティボルト

10番街の殺人のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

10番街の殺人(1971年製作の映画)
3.7
気持ち悪さ、陰鬱さでのみ計るなら
「絞殺魔」を凌駕してフライシャーベストではあるまいか?
殺人現場となるアパートの湿気を帯びたアートワーク、頭が悪過ぎて罪を着せられ、首吊りになってしまう ジョン・ハートの表情、特に口元に虚無を観た。

ジョン・ハートの死刑が決定した瞬間、彼が脊椎反射的に立ち上がると
警官が突然棚を横にズラして、首吊りの縄が奥に見えるワンショットの吐き気、中々忘れられるものではないと思う。
愚鈍さが招いた結果を、何処までも無情に捉えたショット。
現代の作家じゃまず撮れないのでは