中庭

10番街の殺人の中庭のレビュー・感想・評価

10番街の殺人(1971年製作の映画)
3.6
擁護のしようもない禿頭の中年男性に身に覚えのない同情を寄せる自らの姿勢に気付かされたとき、つまり開かずの部屋が開放されるその瞬間に、この非常に感染力の高い恐怖の再現はスクリーンの外部へ時空を超えて開かれ、自分のまなざしを、冷や汗が出るほど信じられなくなる。共感の余地は一切ないはずなのに。後期のイーストウッドが固執する実録もの映画の放つ魔をじっくり堪能出来る一本。
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