まぬままおま

スーパーバッド 童貞ウォーズのまぬままおまのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

私が決してみようとしない作品を友人に薦められてみるのはいい。

非モテ男の童貞高校生3人が、パーティーで美人な同級生と「卒業」するために、偽造IDを使って酒を買おうとする何とも下品でくだらない最高に面白い作品である。

主人公たちの恋がご都合主義なのはいかがとは思うが、彼らを癒やすだけの物語でもない。
それはセスとエヴァンが友情を結び直す物語にもなっているからである。ドタバタ珍道中に、実はエヴァンがセスとは別の大学に進学することが発覚してしまう。それはセスにとってショックな事実だ。なぜならエヴァンを一生つるむはずの友達と思っていたからだ。だからここで友情が決裂してしまう。しかし彼らは警察からの逃亡ー酒を買ったのがバレたからではないーという〈出来事〉を通して、お互いの大切さを実感し仲直りを果たすのである。
二人は結局友情を確認するだけで、パーティーでの目的は達成できなかった。しかし一夜をあけて、彼らは意中の相手に昨日の不埒を謝ることになる。だがこの謝りの誠実さが、二人をデートへと向かわせる。この展開と物語の未来の明るさに感動してしまうのである。

さらにマクラビンいやフォーゲルが、パトカーを燃やして銃をぶっ放すのもいい。
銃は男根の象徴だし、警察なんて男らしさや暴力の権化だ。彼の警察との関わりは、戯れではあるかもしれない。しかし彼がパトカーを銃で撃つことは、警察に守られる対象からの「卒業」と言えるはずだ。そうフォーゲルは立派な大人になったのである。

彼らの卒業への道程は、下品でくだらないコメディではある。しかしセスとエヴァンの結び直される友情や恋愛の行く末には感動してしまうし、心を掴まれるものが確かにある。