健多郎

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップの健多郎のレビュー・感想・評価

4.5
バンクシーが創り上げるはなし

現在は路上アーティストのドキュメンタリーを撮影中の自称映像作家ティエリー
そんな彼が数多のアーティストと出会い、自身もミスター・ブレインウォッシュと名乗り路上アートに目覚めていく様子が収められたドキュメンタリー
被写体であり、監督も務めるは恐らく世界で最も有名で、最も謎に包まれた路上アーティスト・バンクシー

バンクシーの遺す路上アートが彼の作品であり、彼が監督した本作も彼の作品であることは言うまでもない
だが、本作に登場する様々なアーティストも、アートを楽しむファンも、本作を鑑賞する人々も、すべてはバンクシーの計算通りに動かされている…広い意味では彼の作品とは呼べないだろうか

アートに莫大な価値を付ける人々を嘲笑うかのようなタイトル
本作の撮影中にアートに目覚め、一瞬にしてアート界のスターダムにのし上がったミスター・ブレインウォッシュの意味深過ぎる「洗脳」という名前
どこまでがバンクシーの仕掛けなのか疑うとキリがない
なにもかも彼の手のひらの上で踊らされているようにすら思えてくる
健多郎

健多郎