爆裂BOX

フライ・オブ・ザ・デッドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

フライ・オブ・ザ・デッド(2010年製作の映画)
2.8
都会に憧れるアンバーは友人達と共に車で町を出るが、故障して立ち往生。そこに通りがかったトラックに乗せて貰うものの不気味な廃墟へ辿り着く。更に彼らの頭上から奇怪な化け物が襲撃してくる…というストーリー。
「アフター・ダーク・オリジナルズ」のシリーズ第二弾であるクリーチャーホラーです。監督は「NAKED ブービートラップ」のパトリック・シルヴェセン。
友人達は次々犠牲になっていく中、怪物たちの襲撃から逃げ回るうちにアンバーは自らの身体に隠された力に気づくという内容です。
「~オブ・ザ・デッド」のタイトルがついてますが、登場するのはゾンビではなくヴァンパイアです。多分、ヴァンパイアだと思うんですが、最後のアンバーとか見る限り太陽の光は平気っぽいんだよなぁ。
前半は田舎の町から出たいアンバーと友人達のやり取りが青春ドラマ風に描かれます。このくだり結構長いですが、以上に足が速かったり、時折不気味なフラッシュバックみたり生肉や血に以上に嫌悪感持ったりするアンバーの様子が挟まれ、これが伏線になっています。
ヴァンパイアが登場するのは30分過ぎくらいからですね。ここでなにがなんやら分らないまま友人達が次々襲われあっと言う間に2人だけになってしまいます。個人的にはもうちょっと抵抗した方が盛り上がったように思います。生首や切断された腕が転がったりしますが、映されるの一瞬だけでそんなにグロくないし、ちょっとアッサリしすぎでした。
アンバーとドラマ「ストレイン」等に出ていたルタ・ゲドミントス演じるスージーの二人だけになってからは逃げ回って、物陰に隠れて様子窺ったりするシーン増えて物語が停滞してちょっとグダグダ感ありましたね。
「自分のせいで…」と嘆くアンバーにスージーが「あなたのせいじゃない」と慰めたり、チャラい女子って感じだったフィオナがトラックの荷台の扉押えながら「早く逃げて!」とアンバーたちに逃げるように促したりと皆友達思いなのは良かったですね。スージーとくっついたり離れたり繰り返してるチャラ男のピーターもトラックに閉じ込められたときは率先して脱出方法探したりと頼りがいある所見せましたし。
ヴァンパイアの風貌は「30デイズ・ナイト」に登場するヴァンパイアと似てます。こいつらが壁をするする登ったり飛びかかって来る所は面白いです。ここが邦題の由来でしょうね。たた、「飛ぶ」というよりは「跳ぶ」という感じなので「ジャンプ・オブ・ザ・デッド」の方がしっくりくるかな(笑)終盤までは一人、二人が登場して襲ってくる感じでしたが、終盤で大勢現れてアンバーを取り囲むシーンは「おお!」とテンション上がりました。
ただ、襲撃シーンになるとカメラがガチャガチャ動いて何がどうなってるのか分かり辛いのは残念でしたね。
主人公が結構互角に戦ったりするのも単なる主人公補正じゃなくて後半真相が明らかになるのは良かったです。前半の何げないシーンが伏線になってました。ただ、予想はつきやすいですね。
彼らは一体何だったのか、アンバー達がトラックに乗ったのは偶然か、仕組まれたものなのか等、説明不足な所があって消化不良なのも残念。
ラストも決着がつかず消化不良でした。どうせならあの能力を活かして戦ってほしかったな。何か、大きな物語の序章という感じでした。
スージー連れてヴァンパイアたちから逃げたり、ラストのスージーに寄り添いながら「大丈夫、心配ない」と語りかけたりする百合っぽい感じは好きですね。
映像や雰囲気などは悪くないのでちょっと勿体無い作品でした